「採用時期が後ろ倒しになったからインターンシップをやるべき」という嘘
ご存知の方も多いかと思いますが、2016年卒はリクナビ・マイナビを始めとしたサイトが、3月OPENになります。
さらに経団連が選考は8月からします!と明言しているので、各企業はどうなるんだろう。と不安に思っている事でしょう。
不安は営業チャンスである
不安が出てきたら、営業マンがワクワクしてくる事でしょう。
・採用時期が遅くなるので、早い段階から学生と接触する為にインターンシップをしましょう。
・8月に大手が選考するので、そこまでに学生の志望度を上げる為に、採用パンフレットを作りましょう。
・そもそも辞退が増える事が予想されるので、新卒紹介の方が安全じゃないですか?
こんなトークが飛び交う事でしょう。
どれが正しくてどれが間違っているかは、中身次第なんですが、一つだけ注意しておきたい事があります。
それは、「採用時期が遅くなるので、早い段階から学生と接触する為にインターンシップをしましょう。」です。
恐らく営業マンが多くする話は、
「大学3年生の6月にインターンシップサイトがOPENするので、そこから広報して8月にサマーインターンシップをしましょう」
「さらに、オータムインターンシップもして、ウィンターもして、学生と多く接触しましょう」
という感じでしょうか?
インターンシップが増えると言う事は良い事だと思います。
インターンシップからの入社は難しい
ただ、インターンシップから入社する人(内定者ではありません。)が出るかというと、中小企業に限っては難しいと思います。
理由は主に3つ
①インターンシップに参加する人は、上位校や優秀層が多い
②取り敢えずインターンシップ参加が増えている
③インターンシップの中身にリソースを割けずに、むしろ悪い印象を残す(一番多いのはグループワークを1dayでやって学生が満足しないというパターン)
①インターンシップに参加する人は、上位校や優秀層が多い
ジョブウェブのアンケートで「インターンシップに参加した学生では7割強(73.4%)が内定を獲得していた。」という結果が出ています。
ジョブウェブに早くから参加している学生なので、平均よりも高い数字が出ていると思いますが、インターンに参加していない人との比較で行くと、20%以上の開きがあるので、インターンに早くから参加する学生が内定が出易い=優秀層?という式は当てはまると思います。
つまり、争奪戦なのです。
仮にインターンに呼び込めたとしても、その学生は何個も内定を保有しているので、辞退される可能性があります。
ジョブウェブさんのアンケートに頼りっぱなしですが。。ジョブウェブに登録している上位層の学生が志望している企業はコレです。
Google、日立、DeNA、三菱商事・・・こんな所と戦うかもしれません。
これに勝てますか?
「取り敢えず」インターンシップをして、多く接触できても最終的に成果が残せませんでしたというのが起こりそうですよね。
②取り敢えずインターンシップ参加が増えている
①とは逆説的なのですが、とりあえずインターンシップに参加している学生は凄く多いです。
要因は一時期インターンシップに参加すると就活に有利になる!というのが学生の中でも(もっと言うと、大学のキャリアセンターが)噂になりました。
そこで、3年生の夏休みは遊びたいけど、取り敢えず1day〜1week位のインターンシップだったら行っても良いかという学生が増えました。
インターンシップというのは、1dayじゃ何も分からないのに、学生に「参加し易いインターンシップは?(マイナビアンケート)」と聞くと、1day〜1weekという結果が約70%を占めるという結果になるのです。
本当の優秀層は出来るだけ長く有意義な体験をしたいと思っていますから、このアンケートの多くは「とりあえず参加者」の意見が反映されているのではないかなと思います。
そして、この様な人たちがインターンシップに来ても、本選考は受けないという事が多いです。よほどインターンシップなんかで魅力付けをしないと受けてもくれません。
企業もとりあえずインターンシップと思っているなら、学生もとりあえずインターンシップと思っているのです。こんなインターンシップ意味有りますか?
③インターンシップの中身にリソースを割けずに、むしろ悪い印象を残す
優秀層だろうが、とりあえず参加している学生だろうが、インターンシップの中身が悪いと、良い印象どころか悪い印象を残します。
この会社つまらなそう。
この仕事つまらなそう。
インターンシップの時間返して欲しい。
取り敢えずグループワークをすればインターンシップとして成り立ちますから!という言葉に惑わされないでください。基本、成果無しで終わります。
インターンシップを実施するならフリークアウトさんの記事を見て刺激を受けると良いと思います。
3日間で圧倒的な印象を残す事で、学生の受験率も良いはずです。
インターンシップを実施するかどうかも大切ですが、インターンシップの中身はもっと大切です。
という事で、「採用時期が後ろ倒しになったからインターンシップをやるべき」という話に惑わされずに、何の為にどんな内容でやるのか?という所をはっきりさせてからインターンシップを実施する事をオススメします。